7.禅僧の一つの行き方

まず杭州の接待寺で雪関和尚にお目にかかって禅問答され、ついで龍樹寺で雪松法師の楞厳経の講義を聞かれましたが、悟ることができず悶々とした気持がますばかりでした。

ある日修行仲間の禅友にそのことを打ちあけられました。

「私はできるだけの努力をして来たが、今だに仏教の教理もよくわからないし、熱心に参禅したが悟れそうにもない。どうしたものだろうか」

と。すると、その禅友は、

「悟りが得られなくても、生涯を清らかな気持一筋で参禅を怠らず努めるのも亦た、禅僧としての一つの生き方ではあるまいか」

と言われましたので、禅師はハッとして心が開けて行くように感ぜられました。禅師は気を取り直し天童山に行かれて密雲老和尚のもとで参禅されました。