頭陀袋093 「いまどきの若い者は?」

最近の世相を嘆く言葉の中に「今時の若い者は…」というのがある。
これは現代ばかりでなく、昔からあった言葉のようである。

沢庵禅師は、徳川三代将軍家光公の側近として知られるが、禅師は、「今どきの若い者は。」と、
嘆く年寄りは、自分たちの三十年前のことを思い出して嘆くが、
実は三十年前の自分は、大した者ではなかったはずだ。
自分は三十年、いろいろ見てきて、目が肥えてきたから言えるのである。
自分が若いころは、そのころの年寄りが、同じことを言っていたのに違いない。
だから、巡送りなんだよ。と言っている。
沢庵和尚の時代は人生五十年。今は人生百年といわれる。

私たちの若かった頃、すなわち、五十年、六十年前のことを比べて、
「今どき」という言葉が出てくるのです。
昔「明治は遠くなりにけり。」と言いましたが、今や昭和・平成・令和…と時は流れ、
「昭和は遠くなりにけり。」であります。

昭和の人間、あの戦後の惨めな生活から
高度成長、昭和元禄、使い捨ての時代、贅沢を謳歌してきた年配者は
若い人達に昭和の魂、昭和の価値観を、伝えてきたでしょうか?

この嘆きは私たち年寄りが、次世代教育をお座なりにしてきた結果なのです。
難しいことを考える事もせず、楽な方へ楽な方へと、マスコミや時流に流されてきた結果です。

しかし、まだ遅くはありません。
私たちの血は、日本人の良いところは、
徳川の時代、明治、大正の時代、そして昭和へとながれ、
脈々として繋がっているのです。
これを、次の時代に引き継がなければなりません。

若い人達に語りかけましょう。

自分の体験談をもっと語りましょう。

この頃のマスコミの関心事、相続や財産の行方。終活。墓しまい。仏壇しまい。
どこの医者が名医で、あの医者の処方は効かない…等々
もっと人間らしく生きるためには。
少し冷静に考えてみましょう。

(住職、口演原稿より)

住職合掌

※四国道後温泉在住の建築士、田中修司様より、
この度、自著刊行された『昭和の奇人、村上桂山』文芸社発行。
を寄贈くださいました。

※高山市丹生川町正宗寺東堂原田道一老師より、
自著『であうところわがいのち』寺史『霊源、霊林、霊昌』を
寄贈くださいました。

ご印施感謝申し上げます。

頭陀袋093 「いまどきの若い者は?」

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